第443回例会(Web#60) 2026.10.24

2026年10月例会チラシ
日本海事史学会 第443回 例会(Web#60)

続・淀水垂大下津町遺跡から出土した江戸時代の川船について
――(公財)京都市埋蔵文化研究所・訪問記録 続報――

講師:影山 和則(かげやま かずのり・会員)

2026年10月24日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 京都市伏見区の桂川西岸遺跡において、江戸時代前期の木造川船が出土した。筆者は昨年1月の例会において、京都市埋蔵文化財研究所への訪問内容を発表したが、その後、第四次発掘調査により、さらに大型の船体部材が出土した。出土地点は、これまでに確認された「船1~船6」に隣接しており、元和9年(1623)の淀城築城に際する護岸工事の土木資材として転用されたものである。これらは、淀川水系における木造船建造技術の変遷を解明する上で極めて貴重な現物史料であり、同研究所の発掘調査における多大な成果である。

 第四次発掘調査は令和6年初頭から開始され、同6月25日には大型舷側板の取り出し、運搬および水漬保存の作業が行われた。現在は、今後の含浸置換処理や各種の検証が行われている。同研究所による正式な調査報告書の刊行は令和8年に予定されているが、本稿では、筆者が現地取材で得た概要について例会発表の続報として報告したい。

【講師プロフィール】
影山 和則(かげやま かずのり・日本海事史学会会員)
1954年生まれ
大学卒業後、1979年から2019年まで埼玉県の試験研究機関に勤務。
伝統工芸の製品開発、職人技術継承等に取り組んできた。
日本海事史学会には学生の頃から参加し高瀬舟など日本の川船の資料を集め論文を投稿してきた。
著書に「ものが生まれる産地、ものを輝かせるデザイン」等。
現在、さいたま市産業創造財団、武蔵野美術大学、滋賀県立大学、明星大学等の特別講師。

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第442回例会(Web#59) 2026.09.26

2026年9月例会チラシ
日本海事史学会 第442回 例会(Web#59)

戦間期の海外移植民事業とラジオ放送

講師:根川 幸男(ねがわ さちお・会員)

2026年9月26日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 2025年に100周年を迎えた日本のラジオ放送は、その発展期が日本人の海外植移民の最盛期と重なっていた。本報告では、両者の発展の重なる1930年代に、海外移植民(特にブラジル移民)をめぐって行われたラジオ放送番組のタイトルと内容、文化史的・社会史的意義を明らかにすることを試みる。

 ブラジルへの移民は、1933年には約2万5000人、1934年には約2万1000人とピークを迎えたが、同時期のラジオでも、海外移植民事業の指導者の講演や移民船出航の実況中継を試みるなど、これと関連する動きがみられた。本報告では、モダニズムから国策の時代を背景に、ラジオ放送の発展と海外移植民の推進という30年代のトレンドの交点ともいえる活動をめぐり、次のトピックスを中心にラジオという広報メディアと海外移植民という国策事業の関係性や歴史的意義の解明を試みたい。

①1923年:ラジオ放送開始の契機:関東大震災における船舶無線の活躍
②1933年:「ラヂオ移植民講座」の制作・放送
③1934年:新鋭の移民船「りおでじやねろ丸」出航の実況放送
④1940年:紀元二千六百年奉祝海外同胞東京大会「海外同胞の夕」の制作・放送

【報告資料 PDF 2.9MB】

【講師プロフィール】
根川 幸男(ねがわ さちお・日本海事史学会会員)
国際日本文化研究センター特定研究員
近著:『移民船から世界をみる』(サピエンティア 69)(法政大学出版局, 2023)、『季刊民族学』194号 特集「海と河川をめぐるグローバルヒストリー――人・ものの往来と文化創発」(監修・執筆)(千里文化財団, 2025)

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