
日本海事史学会 第432回 例会(Web#50)
伊勢船異聞-信長の「鐵ノ船」-
講師:安達 裕之(あだち ひろゆき・会員)
2025年7月26日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催
天正4年(1576)7月の第一次木津川口海戦で毛利水軍に大敗を喫した織田信長は、伊勢で大船を建造した。天正6年7月に堺に着岸した信長の大船について、奈良興福寺の多門院英俊は日記に「鐵ノ船也、テツハウトヲラヌ用意、事々敷儀也」と書き留めた。ために信長の大船についての議論は「鐵」に集中し、信長の大船を鉄甲船とする通説に対して、無装甲説、部分装甲説、「異国式の特徴をもつ大船」説が入り乱れ、肝心の船としての信長の大船についての議論は等閑に付されてきた。信長の大船を伊勢船とする石井謙治説に対して水軍史の研究者から特に異論は出ていないが、石井氏は重大な事実を見逃した。果たして信長の大船は伊勢船か?
【講師プロフィール】
■安達 裕之(あだち ひろゆき・日本海事史学会会員)
1947年大阪市生まれ、1972年東京大学工学部船舶工学科卒業、同教養学部に勤務して、2012年に退職。東京大学名誉教授。
専門は日本造船史。おもな著書:『異様の船-洋式船 導入と鎖国体制-』(平凡社、1995年)
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