第391回 例会(Web#10) 2021.07.25

日本海事史学会 第10回 Web例会

「洋学と漂流・漂流記」

講師:松本 英治(まつもと えいじ・会員)

2021年7月25日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 近く思文閣出版より洋学史学会監修『洋学史研究事典』が刊行されます。報告者は、研究篇「洋学の社会的基盤」の一項目として、「漂流と漂流記」を執筆する機会を得ました。執筆では、「漂流と漂流記」を「洋学の社会的基盤」としてどうとらえるか、四苦八苦しました。
 洋学の発展と漂流の関係、洋学者による編纂物漂流記の成立など、執筆に際して考えたことを、大槻玄沢の事績を中心に報告し、会員の皆様のご批正を賜りたいと思います。

【講師プロフィール】
松本 英治(まつもと えいじ・日本海事史学会会員)
開成中学校・高等学校教諭。東洋大学非常勤講師。2020年より日本海事史学会理事。
著書に『近世後期の対外政策と軍事・情報』(吉川弘文館、2016年)。


第387回 例会(Web#6) 2021.03.20

日本海事史学会 第6回 Web例会

「農民の漂流日記 ―上乗の遭難と異国体験―」

講師:小林 郁(こばやし かおる・会員)

2021年3月20日(土祝)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 宝暦十一年(1761年)。奥州福島の城米を積んだ福吉丸は荒浜を出帆後、暴風で遭難した。漂流のすえ、福吉丸は清国の南通州(中国江蘇省南通市)にたどりつく。地元民の手厚い救護を受けた一行は、蘇州、上海を経て日本へ帰ることができた。この事件は、『通航一覧』や石井研堂の『異国漂流奇譚集』によって知られていた。ところが1958年、福吉丸に乗っていた上乗百姓武右衛門(山田武左衛門)の漂流日記が福島市大笹生で発見され、話題となった。2010年には、大笹生笹谷文化財保存会により現代語訳が刊行されている。
 海を遠く離れた山里に暮らす農民は、異国漂流体験をどのように綴ったのか。武右衛門の日記と、今も残る彼の墓石を紹介したい。

【講師プロフィール】
小林 郁(こばやし かおる・会員)
1964 年生まれ。東京都東村山市在住。
江戸・明治期の漂流民にかかわる文書、墓石、位牌、遺品、伝承などを求めて日本各地を巡っている。
著書に『嘉永無人島漂流記』(三一書房)、『松栄丸「広東」漂流物語』(無明舎出版)、『新編鳥島漂着物語』(天夢人)がある。