日本海事史学会 第423回例会(Web#42)
白黒をつける――信長の「鐵ノ船」
講師:安達 裕之(あだち ひろゆき・会員)
2024年9月28日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催
天正4年(1576)7月の第一次木津川口海戦で毛利水軍に大敗を喫した織田信長は、伊勢で大船7艘を建造した。天正6年7月に堺に着岸した信長の大船について、奈良興福寺の多門院英俊は日記に「鐵ノ船也、テツハウトヲラヌ用意、事〻敷儀也」と書き留めている。
英俊の記事に依拠して信長の大船を鉄甲船とする通説に対して、英俊の記事は伝聞にすぎず、太田牛一も堺で大船を実見した宣教師オルガンチノも装甲には一言も言及していないとして提示されたのが、無装甲説、部分装甲説、「異国式の特徴をもつ大船」説であり、今もって結着をみていない。
――では、いずれの説が正しいか?
【講師プロフィール】
■安達 裕之(あだち ひろゆき・日本海事史学会会員)
1947年大阪市生まれ、1972年東京大学工学部船舶工学科卒業、
同教養学部に勤務して、2012年に退職。東京大学名誉教授。
専門は日本造船史。
おもな著書:『異様の船-洋式船導入と鎖国体制-』(平凡社、1995年)
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