参考資料:弁才船

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弁才船の構造等を知るための参考資料。
国立国会図書館デジタルコレクションほか、ネット上で読めるものにはリンクをつけています。



桃木武平「菱垣廻船歓晃丸図解略説」

 明治42年(1909)、神戸の桃木武平が書いた菱垣廻船の解説書。部材の名称と解説等を列挙した本文(第5巻)と番号を振った図面8点(附図)からなる。

■解説本文:大阪市参事会 編『大阪市史』第5巻(1911)に収録
  → 国立国会図書館デジタルコレクション コマ番号:232-261
 附図:大阪市参事会 編『大阪市史』附図(1912)に収録
  → 国立国会図書館デジタルコレクション コマ番号:104-137

参考:【歓晃丸】船長サ 5丈1尺5寸(15.6m)/船幅 3丈1尺(9.4m)/深サ 1丈1尺5寸(3.5m)
 才(登録石数) 1,569石5斗(235.4t)/実積石数 2,300石余(345t余)
 建造:慶応三年(1867)/船主 灘御影 嘉納治作/船大工棟梁 神戸 桃木武兵衛(武平の祖父)


今西幸蔵「家舶縄墨私記」坤

 文化十年(1813)、浦賀同心組頭の今西幸蔵が書いた技術書。解題・補注は石井謙治。
 舵の吊り方、轆轤(ろくろ)、帆や帆綱、碇(いかり)、櫓(ろ)など、艤装関係についても言及。本文にも補注にも図版多数。

■翻刻:谷川健一・宮本常一編 『日本庶民生活史料集成』第10巻 農山漁民生活(三一書房 1985)に収録。
 → 国立国会図書館・公立図書館など で閲覧可能

■和本:今西幸蔵『家舶縄墨私記』坤
 → 国立国会図書館デジタルコレクション


金澤兼光「和漢船用集」

 宝暦十一年(1760)大坂堂島の船匠・金澤兼光が書いた、船にまつわる言葉を膨大に集め、さし絵入りで解説した書。解題は兵庫北浜の船匠・桃木武平(昭和4年)。
 弁才船に関連するのは巻十「船処名」「銅鐵之具」、第十一「用具之部」「綱類之部」、第十二「大工道具之部」。釘や各種道具類、艤装も含めた細かい道具、荷積みのための道具やカマド、幟、磁石などまで言及・図示されている。

注:本書では「舳=とも(船の後方)」、「艫=へ/おもて(船の前方)」と読む。

■和本:①明和版(明和03年~ 刊本 12冊)
     → 国立公文書館 簿冊情報(各巻閲覧ページへのリンク)
    ②文政版(文政10年 刊本 12冊)
     → 国立公文書館 簿冊情報(各巻閲覧ページへのリンク)

■翻刻:①住田正一編『海事史料叢書』第11巻(巌松堂書店 1930)に収録
     → 国立国会図書館デジタルコレクション
    ②三枝博音編『日本科学古典全書』第12巻(朝日新聞社 1943/1978)に収録
     → 国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス)
       コマ番号:78-364


「大和形船製造寸法書」

 明治20年代の弁才船(大和形船)の各部材の寸法の出し方と組み方の解説書。明治35年に逓信省管船局が発行したもので、北前船と菱垣廻船の双方に言及。上廻りは北前船の仕様。いくつかの系統の寸法一覧も。

『大和形船製造寸法書』(逓信省管船局 1902)
 → 国立国会図書館デジタルコレクション