菱垣廻船「浪華丸」の概要
大阪市が市制100周年の記念事業として復元建造し、大阪市立の海事博物館「なにわの海の時空館」(2000年7月開業)のメイン展示物とした菱垣廻船(ひがきかいせん)。
1994年に復元のための調査を開始、設計・木材調達・模型製作等を経て、1998年4月~1999年7月に日立造船堺工場で建造された。
なにわの海の時空館への搬入前の1999年7月29日~8月1日、大阪湾で帆走実験が行われた。
※なにわの海の時空館は2013年3月10日閉館。浪華丸は現在も同館内にあるが、公開されていない。
- 全長:98.6尺(29.876m)
- 幅:7.4m
- 帆柱の長さ:90.8尺(27.500m)
- 実積石数:1000石(約150t)
- 大工間尺*1:865石(約130t)
- 航長:44.3尺(13.420m)
- 肩幅:24.4尺(7.394m)
- 肩深さ:8.0尺(2.424m)
*1 大工間尺(だいく-けんじゃく):航長、肩幅、肩深さ(左図参照)をそれぞれ尺で表してかけあわせた結果を10で割った値で、弁才船の積石数を求める一般的な方法。
- 建造費:約10億円
- 復元監修:安達裕之(東京大学名誉教授)・野本謙作(大阪大学名誉教授)・松木哲(神戸商船大学名誉教授)
- 設計・施工監理:小嶋良一(関西設計株式会社)
資料:浪華丸 建造要領
●浪華丸 建造要領(その1,2,3)
(PDF 124ページ・3.25MB)
参考(外部リンク)
- 千石積菱垣廻船二十分一図(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 小嶋良一「復元された菱垣廻船「浪華丸」の意義について」(日本船舶海洋工学会講演会論文集 第22号,論文番号 2016S-OS2-3)
- 『復元された菱垣廻船「浪華丸」』(大阪市港湾局、2001年/大阪港振興協会によるPDF公開)
- 菱垣帆船「浪華丸」帆走実験報告書(社団法人 大阪港振興協会 1999年度/日本財団図書館)
- Wikipedia「なにわの海の時空館」(2022年5月30日閲覧)
- 「弁才船の花形 菱垣廻船復元の記録」(YouTube 大阪港振興協会チャンネル)