第398回例会(Web#17) 2022.03.26

第398回例会チラシ
日本海事史学会 第398回 例会(Web#17)

東シナ海周辺部の石干見(いしひび)

講師:岩淵 聡文(いわぶち あきふみ・会員)

2022年3月26日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

 石干見とは定置漁具の一種で、汀線から沖に向かって半円形に石を積み上げた構築物である。高潮時に石干見は完全に海没する一方、低潮時にはその全貌が干潟地に現出する。その際、石干見内には障壁のために逃げ遅れた魚類が残留することになり、これらが傷害漁具や袋網などにより捕獲される。
 東シナ海周辺部は世界でも、石干見漁が集約的に観察できる地域である。中国では16世紀、日本では18世紀初頭の史料に、すでに石干見の存在が明記されている。

【講師プロフィール】
岩淵 聡文(いわぶち あきふみ・日本海事史学会会員)

東京に生まれる。オックスフォード大学大学院社会人類学科博士課程修了。東京海洋大学大学院(ユネスコ水中考古学大学連携ネットワーク)教授。
イコモス国際水中文化遺産委員会日本代表委員。日本海洋政策学会理事。海洋立国懇話会理事。NPO法人アジア水中考古学研究所理事。国連海洋科学の10年(2021~2030年)は、「現地住民・伝統的な生態学上の知識・気候変動:象徴的水中文化遺産としての石干見」(代表:岩淵)を行動プロジェクトに認定している。