日本海事史学会 第401回 例会(Web#20)
移民船航海における感染症再考
講師:根川 幸男(ねがわ さちお・会員)
2022年6月18日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催
多くの人びとを乗せて世界の海域を往来する船舶は、病原体との接触領域でもある。とりわけ、戦前日本のブラジル移民船は、三等エリアに移民を詰め込んだ三密状態で、香港、サイゴン、シンガポール、コロンボなど熱帯域に寄港し、時に感染症クラスターを発生させた。
移民船の感染症発生についてはいくつかの論考があるが、本報告では、1928年のはわい丸コレラ事件に注目し、移民船航海における感染症の実態と歴史的意味について再考したい。
【講師プロフィール】
根川 幸男(ねがわ さちお)日本海事史学会会員
1963年大阪府生まれ。サンパウロ大学大学院修士課程修了、総合研究大学院大学論文博士(学術)。元ブラジリア大学文学部准教授、現在国際日本文化研究センター特定研究員。専門は移植民史。
おもな著書:『ブラジル日系移民の教育史』(みすず書房、2016)、『移民がつくった街サンパウロ東洋街―地球の反対側の日本近代』(東京大学出版会、2020)。