日本海事史学会 第406回 例会(Web#25)
クレードルによる進水の歴史
―そしてヘダ号、開成丸、戦艦武蔵
講師:山田 義裕(やまだ よしひろ・会員)
2022年12月17日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催
昔も今も進水は造船の中で最もクリティカルな工程である。そのリスク軽減のためにクレードルが使われ、17世紀のイタリア、ポルトガル、スペインにおいてその図像と解説が現れた。18世紀以降は、主にフランスと英国の書物の中で、それらの特徴と進化の過程を知ることが出来る。日本では幕末に、失った船の代船としてロシア人の指導の下にヘダ号を建造した時に始めてクレードルの使用を学んだ。仙台藩の開成丸の進水の図にもそれが認められる。これらを紹介し、最後に最大の戦艦であった武蔵の進水に話を及ばせたい。
【講師プロフィール】
山田 義裕(やまだ よしひろ・会員)
1968年に早大政治学科を卒業し、現在の日本製鉄に入社。スペイン、ブラジル、メキシコに滞在。
1973年に当会に入会。海外では「国際海事技術史会議」参加メンバー。
16-17世紀のスペインとポルトガルの造船史と航海術史が主たる関心分野。