第426回例会〔対面開催〕 2024.12.21

2024年12月例会チラシ
日本海事史学会 第426回例会〔対面開催〕

明治初期の造船技術者に関する一考察
~緒明菊三郎と緒明造船所を中心に~

講師:中尾 光一(なかお こういち・会員)

2024年12月21日(土) 14:30~16:30(開場 14:00)
東京大学駒場キャンパス内 駒場ファカルティハウス(セミナー室)
(Zoom参加は会員のみ)

 緒明(おあき)菊三郎(1845-1909)はヘダ号の七大工頭・緒明嘉吉(1802-1872)の息子で、父親の手伝いでヘダ号建造にも関与したとされる造船技術者である。明治16(1883)年には共同運輸会社に協力する造修補給の施設として品川第四台場を借り受けて緒明造船所を開き、明治20年代には海運業にも参入、明治38(1905)年には木造船としては国内最大の第27観音丸(1897トン・全長85m)を自社船として建造するなど、造船・海運では大きな存在になるが、娘婿である緒明圭造(1867-1938)の代に造船業から撤退したせいかその詳細は明らかではない。
 そこで本報告では緒明造船所の建造船や菊三郎の所有船などを調査するとともに、隅田川の一銭蒸汽で儲けたなどの菊三郎の逸話についても検証していきたい。

【講師プロフィール】
■中尾 光一(なかお こういち・日本海事史学会会員)
1975年大阪府生まれ。花園大学文学部史学科(近現代史)卒業。同大学院修士課程修了。現在は花園大学文学部日本史学科助手。
主要論文は、「海軍艦政局創設に関する一考察 ―初代局長伊藤雋吉を中心として―」(『花園大学文学部紀要』2020年)、「幕末から明治初期における造船技術者に関する一考察 ―緒明菊三郎と緒明造船所を中心として―」(『花園史学』2023年)など。

 非会員の方もお申込なしでご参加いただけます。直接会場へお越しください。 


例会後、近くの居酒屋で忘年会を開催します!

【事前申込制】懇親会 17:00~(例会終了後)

会場:居酒屋「さわやか」
〒153-0041 東京都目黒区駒場1-27-1 TEL:03-3481-0638

  • 会場予約の都合上、懇親会は事前のお申込みをお願いいたします。
  • 懇親会費はワリカンです。非会員もご参加いただけます。

お申込みは
こちらのフォームから

申込締切
2024年12月17日(火)23:59


第406回例会(Web#25) 2022.12.17

2022年12月例会チラシ
日本海事史学会 第406回 例会(Web#25)

クレードルによる進水の歴史
―そしてヘダ号、開成丸、戦艦武蔵

講師:山田 義裕(やまだ よしひろ・会員)

2022年12月17日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

 昔も今も進水は造船の中で最もクリティカルな工程である。そのリスク軽減のためにクレードルが使われ、17世紀のイタリア、ポルトガル、スペインにおいてその図像と解説が現れた。18世紀以降は、主にフランスと英国の書物の中で、それらの特徴と進化の過程を知ることが出来る。日本では幕末に、失った船の代船としてロシア人の指導の下にヘダ号を建造した時に始めてクレードルの使用を学んだ。仙台藩の開成丸の進水の図にもそれが認められる。これらを紹介し、最後に最大の戦艦であった武蔵の進水に話を及ばせたい。

 

【講師プロフィール】
山田 義裕(やまだ よしひろ・会員)

1968年に早大政治学科を卒業し、現在の日本製鉄に入社。スペイン、ブラジル、メキシコに滞在。
1973年に当会に入会。海外では「国際海事技術史会議」参加メンバー。
16-17世紀のスペインとポルトガルの造船史と航海術史が主たる関心分野。