第405回例会(Web#24) 2022.11.26

2022年11月例会チラシ
日本海事史学会 第405回 例会(Web#24)

弁才船の船体と上廻りの変遷

講師:安達 裕之(あだち ひろゆき・会員)

2022年11月26日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

 慶長期の『厳島遊楽図屏風』(東京国立博物館蔵)に登場して以来、明治時代まで弁才船は国内海運の主力として活躍した。船体の基本構造こそ変わらなかったものの、3世紀の間に船体と上廻りは様々に変化した。パリの図面集(F.E.Paris, Souvenirs de Marine, vol.6)に載る明治21年(1888)の1500石積弁才船の淵源が『厳島遊楽図屏風』の船にあろうとは誰も思うまい。
 本報告では弁才船の船体と上廻りの変遷を概観することにしたい。

 

【講師プロフィール】
安達 裕之(あだち ひろゆき・日本海事史学会会員)

1947年大阪市生まれ、1972年東京大学工学部船舶工学科卒業、同教養学部に勤務して、2012年に退職。東京大学名誉教授。専門は日本造船史。
おもな著書:『異様の船-洋式船 導入と鎖国体制-』(平凡社、1995年)


第404回例会(Web#23) 2022.10.22

2022年10月例会チラシ
日本海事史学会 第404回 例会(Web#23)

山高五郎画伯の作品と生涯

講師:飯沼 一雄(いいぬま かずお・会員)

2022年10月22日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

 『図説 日の丸船隊史話』(至誠堂、1981年)の著者としても知られる山高五郎(1886-1981)は、明治生まれの造船技師で、晩年には母校東京大学の船用電気工学担当講師も務めました。また日本海事史学会の発起人の1人として『海事史研究』創刊号(1963年)には「本会の発足を祝って」と題した祝辞を寄稿しています。
 幼少期から絵画の基本を日本画家の野口幽谷に学びましたが、作品の多くは記録としてのスケッチで、「船に関しては、間違って描かれていれば三文の評価もない」と断言して一切の誇張や虚飾を排し、細密・丁寧、実物の船の姿を忠実に描き続けました。
 本報告では、2021年11月に静岡市で開催された「船と海とともに―山高五郎の船舶画―」展の図録論稿を執筆した立場から、山高五郎の作品と、海と船を愛し続けた95年の生涯についてお話しします。

 

【講師プロフィール】
飯沼一雄(いいぬま かずお) 日本海事史学会会員

昭和29(1954)年 東京に生まれる。航空月刊誌編集部を経て船の科学館に勤務、現在は嘱託で学芸部調査役(学芸員)。