第428回例会(Web#46) 2025.2.22

2025年2月例会チラシ
日本海事史学会 第428回例会(Web#46)

伊丹諸白下り酒
~源流からたどる弁才船の航跡~

講師:高見 昌弘(たかみ まさひろ・会員)

2025年2月22日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

清酒発祥の地 伊丹から江戸へ、往時の航路を追体験。2024年10月20日~11月3日
 セーリングヨット愛好家と日本酒を愛する市民ボランティア有志が企画。遂行を振り返る。
 2025大阪・関西万博を盛り上げようと関西の海で活動するヨット仲間が集った「なにわの海の交流会」と菱垣廻船「浪華丸」がきっかけで「源流からたどる」をキーワードに菰樽に入れた清酒を運んでみた。

  • 兵庫県伊丹市~陸路~舟運~酒問屋の守護神 新川大神宮(東京都中央区)へ
  • 蔵元から出した清酒を可能な限り往時のルートで運ぶ
  • 波に揺られた樽酒は美味しくなるのか

【講師プロフィール】
■高見 昌弘(たかみ まさひろ・日本海事史学会会員)
1958年生。兵庫県伊丹市在住。
なにわの海の交流会 伊丹諸白下り酒プロジェクト実行委員会委員長。
1993年より大阪市セイルトレーニングシップ、帆船「あこがれ」にボランティアスタッフとして参加。初めて帆船による活動をする中、大阪大学名誉教授、野本謙作先生の帆走理論などセイリングに関する講演を聴講。
1998年、野本先生と日立造船堺工場へ、建造中の浪華丸を見ながら説明をうける。後に帆走実験の実現に向け乗組員の確保などを手伝う。1999年の帆走実験に自身も乗船した。
その後、浪華丸の1/3試作船を山車として2013年から港の賑わいに活用。また、2017年5月ヨット・サザンクロス号の協力を得て大阪港開港150年を記念し「風まち港、菱垣廻船の航跡」ほか江戸から明治にかけての海を追体験する航海を企画して実施。弁才船、菱垣廻船をテーマに浪華丸の保存と展示を目指し活動を続けています。

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第425回例会(Web#44) 2024.11.23

2024年11月例会チラシ
日本海事史学会 第425回例会(Web#44)

新綿番船と新酒番船の性能について

講師:小嶋 良一(こじま りょういち・会員)

2024年11月23日(土・祝)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 江戸中期から幕末にかけて、新綿番船や新酒番船が運航されその速さが競われたといわれている。石井謙治『和船1』(1)によると新綿番船の速い船では上方と江戸間を50時間あまりで走破したという記録がある。平均船速7ノット(約13km/h)ということになる。また新酒番船でも早いものでは2.4日で到達した(約6.1ノット)としている。
 しかしこのためには、平均12m/s程度の風速が必要である。常時このような風速が確保できたのか、その風速によってその船速が生み出せたのが疑問の残るところである。またそのような風が発生した場合には相当な波浪や船体運動も生じたはずであるが、関連する細かな記録も残っていない。
 ここでは、このような疑問に対して、工学的な立場から検討してみたい。

【講師プロフィール】
■小嶋 良一(こじま りょういち・日本海事史学会会員)
1948年生まれ。横浜国立大学工学部造船工学科卒、1974年日立造船(株)堺工場入社。以後、タンカー、バルクキャリアー、石油掘削リグ、大坂菱垣廻船復元設計、浮体式風力発電設備などを担当。現在、船舶海洋工学会ふね遺産認定委員実行委員会委員長。海事史学会、海事技術史研究会理事。関西設計(株)顧問。

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第411回例会(Web#30) 2023.5.27

2023年5月例会チラシ
日本海事史学会 第411回 例会(Web#30)

浪華丸の保存と展示を目指して

講師:高見 昌弘(たかみ まさひろ・会員)

2023年5月27日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

なにわの海の時空館 閉館から10年
浪華丸見学会(2023年4月21日)の報告

 今回、「浪華丸」の状態が確認できた。2025年大阪・関西万博をチャンスと捉え「浪華丸」の再興へとつなげたい。
 2013年より1/3縮尺の試作船を利用して1/3サイズで浪華丸を再現。山車として大阪港/天保山でのお祭りに活用している。
 地域の賑わいと「浪華丸」の存在を市民に紹介してきた今、いよいよ本丸へ、菱垣廻船「浪華丸」の保存と展示を目指してネジを巻きます。

【講師プロフィール】
高見 昌弘(たかみ まさひろ・会員)

1958年生まれ。兵庫県伊丹市在住。
1993年から大阪市のセイルトレーニングシップ帆船「あこがれ」にボランティアスタッフとして関わる。
(帆船「あこがれ」は、現在帆船「みらいへ」として活躍中)
帆走理論についての講演会で野本謙作先生との出会いが菱垣廻船「浪華丸」に繋がり、帆走の実現に向けた協力へ。
1999年7月、「浪華丸」の帆走実験にもボランティアで乗船。
以来、「浪華丸」再興に向けた催事の活動を続けている。

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第400回例会(Web#19) 2022.05.28

第400回例会チラシ
日本海事史学会 第400回 例会(Web#19)

菱垣廻船浪華丸の復元を回顧する

講師:安達 裕之(あだち ひろゆき・会員)

2022年5月28日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

 1994年6月、市制100周年を記念して大阪市は、「なにわの海の時空館」の目玉展示物とすべく弁才船の復元を企て、数ある弁才船の中から大阪と縁の深い菱垣廻船を復元船に選んだ。5年後の1999年7月、復元船は完成し、浪華丸と命名された。以来、四半世紀、弁才船についての新たな知見も得られたので、往時を回顧することにしたい。

【講師プロフィール】
安達 裕之(あだち ひろゆき)日本海事史学会会員

1947年大阪市生まれ、1972年東京大学工学部船舶工学科卒業、同教養学部に勤務して、2012年に退職。東京大学名誉教授。専門は日本造船史。
おもな著書:『異様の船-洋式船 導入と鎖国体制-』(平凡社、1995年)