第389回 例会(Web#8) 2021.05.22

日本海事史学会 第8回 Web例会

「雛型から見た弁才船船型要素の時代的変遷」

講師:小嶋 良一(こじま りょういち・会員)

2021年5月22日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 江戸から明治にかけての海運で大きな役割を担った弁才船(べざいせん)、いわゆる千石船は時代とともにその船型を変えていきました。
 今回、どの船型要素が時代とともに変化していったのかを国内に現存する弁才船の雛形計測の結果から統計的・定量的に調査検討した結果を報告します。重回帰分析の手法によって、船型要素のパラメータから製作年代が推定可能か否かも探ってみました。
 くわえて、雛形の主要寸法といくつかの木割書から得られるそれらについて比較し、その妥当性について検討した結果も報告します。

【講師プロフィール】
小嶋 良一(こじま りょういち・日本海事史学会会員)
昭和23年東京生まれ。
昭和49年に日立造船㈱に入社。以後各種船舶や海洋構造物の設計に従事。
現在は関西設計㈱顧問、日本船舶海洋工学会ふね遺産認定実行委員会委員長。
大阪市海洋博物館「なにわの海の時空館」(閉館中)の菱垣廻船「浪華丸」の復元設計を担当。また船の科学館叢書「徳島城博物館阿波藩御召鯨船『千山丸』」や「雛型から見た弁才船(上・下)」(安達裕之著)の調査・計測図作成も担当した。


第388回 例会(Web#7) 2021.04.24

日本海事史学会 第7回 Web例会

「16世紀末~17世紀初頭のスペインとポルトガルにおける船殻の設計と建造」

講師:山田 義裕(やまだ よしひろ・会員)

2021年4月24日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 掲題の両国における造船が最も活発な時代に、船殻が実際にどのように設計され、建造されたかが出来るだけ具体的に思い浮ぶように当時の文献に基づいて紹介したいと思います。

【講師プロフィール】
山田 義裕(やまだ よしひろ・会員)
1968年現在の日本製鉄に入社。
海外への技術、機器、製品の輸出を中心とした業務に就く。
スペイン、ブラジル、メキシコに滞在。1973年に当会に入会。
海外では「国際海事技術史会議」参加メンバー。
16-17世紀のスペインとポルトガルの造船史と航海術史が主たる関心分野。


第387回 例会(Web#6) 2021.03.20

日本海事史学会 第6回 Web例会

「農民の漂流日記 ―上乗の遭難と異国体験―」

講師:小林 郁(こばやし かおる・会員)

2021年3月20日(土祝)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 宝暦十一年(1761年)。奥州福島の城米を積んだ福吉丸は荒浜を出帆後、暴風で遭難した。漂流のすえ、福吉丸は清国の南通州(中国江蘇省南通市)にたどりつく。地元民の手厚い救護を受けた一行は、蘇州、上海を経て日本へ帰ることができた。この事件は、『通航一覧』や石井研堂の『異国漂流奇譚集』によって知られていた。ところが1958年、福吉丸に乗っていた上乗百姓武右衛門(山田武左衛門)の漂流日記が福島市大笹生で発見され、話題となった。2010年には、大笹生笹谷文化財保存会により現代語訳が刊行されている。
 海を遠く離れた山里に暮らす農民は、異国漂流体験をどのように綴ったのか。武右衛門の日記と、今も残る彼の墓石を紹介したい。

【講師プロフィール】
小林 郁(こばやし かおる・会員)
1964 年生まれ。東京都東村山市在住。
江戸・明治期の漂流民にかかわる文書、墓石、位牌、遺品、伝承などを求めて日本各地を巡っている。
著書に『嘉永無人島漂流記』(三一書房)、『松栄丸「広東」漂流物語』(無明舎出版)、『新編鳥島漂着物語』(天夢人)がある。


第386回 例会(Web#5) 2021.02.28

日本海事史学会 第5回 Web例会

「オモキ造りの構造とその技術
 ―富山県氷見地域のドブネを中心に―」

講師:廣瀬 直樹(ひろせ なおき・会員)

2021年2月28日(日)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

かつて日本海沿岸地域に色濃く分布していた造船技術がオモキ造りである。オモキ造りとは、船底板の左右両端に刳材オモキを組み込んだ構造をいい、ウルシによる接着や木製接合具であるチキリとタタラの使用など、特徴的な接合技術が付随する。今回の報告では、近年まで活躍したオモキ造りの漁船のうち、最大級の船体を持つ富山県氷見地域のドブネを一例として、オモキ造りの船体構造の特徴とその造船技術について検討を加える。

【講師プロフィール】
廣瀬 直樹(ひろせ なおき・会員)
1977年富山県生まれ。専門は考古学・民具学。平成13年度より氷見市立博物館の学芸員を務める。平成15年、氷見市内の船大工とともに和船建造技術を後世に伝える会を結成し、調査・研究を行う。平成23年、「富山の和船~富山湾沿岸地域とその周辺の海船・川舟~」で第25回日本民具学会研究奨励賞を受賞。現在、氷見市立博物館主査(学芸員)。


第385回 例会(Web#4) 2021.01.23

日本海事史学会 第4回 Web例会

「フェートン号事件を検証する」

講師:大井 昇(おおい のぼる・会員)

2021年1月23日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

フェートン号事件とは1808年8月イギリス軍艦フェートン号が長崎港内に侵入し、出島のオランダ商館員2人を捕虜とし、水や食料品、牛を強要し退去、長崎奉行松平図書頭の引責切腹という悲劇を起こした良く知られた事件である。この報告は、オランダおよびイギリス側の史料、日本側の今まで見逃されていた史料などを通し、フェートン号事件に係る数々の疑問を検証する。すなわち、フェートン号来航の真の目的、長崎奉行の反応、国際公法についての認識、フェートン号事件は不意打ちであったとする通説、当時の台場(石火矢台)の状態、焼打ちなどの攻撃は可能で勝ち目はあったか、奉行はなぜ切腹したのか、などについて検証を試みる。

【講師プロフィール】
大井 昇(おおい のぼる・会員)
原子力技術者として東芝で35年勤め、役職定年後、ウイーンの国際原子力機関‘(IAEA)で8年間勤務。帰国後、原子力産業会議参与、大学の非常勤講師など。2002年になり、江戸で御徒を勤めていた曽祖父が長崎奉行与力として派遣されたことを知り、歴史の勉強の道に入り『幕臣サブロスキー、江戸と長崎で終焉を見た男」』「(2007、長崎文献社)を刊行。その後、洋学史研究会を拠りどころとして、長崎奉行所関連の研究と範囲は広がり『長崎絵図帖の世界』(2019、長崎文献社)を刊行するなど。2019年洋学史研究会は解散となり、日本海事史研究会に入会。


第384回 例会(Web#3) 2020.12.13

日本海事史学会 第3回 Web例会

「奥筋廻船とは -武山家と平塚家文書から-」

講師:斎藤 善之(さいとう よしゆき・会員)

2020年12月13日(日)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

近世後期から明治初期にかけて東北太平洋岸で活躍した海運流通勢力の奥筋廻船。これまでその存在はまったく知られていなかったが、その基本資料の再発見によってその実態がようやく明らかにされようとしている。
今回の報告ではその実像をできるだけ具体的に明らかにしたいと考えている。

【講師プロフィール】
斎藤 善之(さいとう よしゆき)
1958年栃木県生まれ 早稲田大学大学院日本史専攻博士課程単位取得退学。文学博士。専門は近世後期から近代初期の海運勢力と港湾都市の研究。


第383回 例会(Web#2) 2020.11.22

日本海事史学会 第2回 Web例会

「弁才船の船体について」

講師:安達 裕之(あだち ひろゆき・会員)

2020年11月22日(日)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催


第382回 例会(Web#1) 2020.10.24

日本海事史学会 第1回 Web例会

「利根川は江戸湾に流れていた~利根川東遷と川舟の内川廻し~」

講師:谷 弘(たに ひろし・会員)

2020年10月24日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催