第425回例会(Web#44) 2024.11.23

2024年11月例会チラシ
日本海事史学会 第425回例会(Web#44)

新綿番船と新酒番船の性能について

講師:小嶋 良一(こじま りょういち・会員)

2024年11月23日(土・祝)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 江戸中期から幕末にかけて、新綿番船や新酒番船が運航されその速さが競われたといわれている。石井謙治『和船1』(1)によると新綿番船の速い船では上方と江戸間を50時間あまりで走破したという記録がある。平均船速7ノット(約13km/h)ということになる。また新酒番船でも早いものでは2.4日で到達した(約6.1ノット)としている。
 しかしこのためには、平均12m/s程度の風速が必要である。常時このような風速が確保できたのか、その風速によってその船速が生み出せたのが疑問の残るところである。またそのような風が発生した場合には相当な波浪や船体運動も生じたはずであるが、関連する細かな記録も残っていない。
 ここでは、このような疑問に対して、工学的な立場から検討してみたい。

【講師プロフィール】
■小嶋 良一(こじま りょういち・日本海事史学会会員)
1948年生まれ。横浜国立大学工学部造船工学科卒、1974年日立造船(株)堺工場入社。以後、タンカー、バルクキャリアー、石油掘削リグ、大坂菱垣廻船復元設計、浮体式風力発電設備などを担当。現在、船舶海洋工学会ふね遺産認定委員実行委員会委員長。海事史学会、海事技術史研究会理事。関西設計(株)顧問。

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第411回例会(Web#30) 2023.5.27

2023年5月例会チラシ
日本海事史学会 第411回 例会(Web#30)

浪華丸の保存と展示を目指して

講師:高見 昌弘(たかみ まさひろ・会員)

2023年5月27日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

なにわの海の時空館 閉館から10年
浪華丸見学会(2023年4月21日)の報告

 今回、「浪華丸」の状態が確認できた。2025年大阪・関西万博をチャンスと捉え「浪華丸」の再興へとつなげたい。
 2013年より1/3縮尺の試作船を利用して1/3サイズで浪華丸を再現。山車として大阪港/天保山でのお祭りに活用している。
 地域の賑わいと「浪華丸」の存在を市民に紹介してきた今、いよいよ本丸へ、菱垣廻船「浪華丸」の保存と展示を目指してネジを巻きます。

【講師プロフィール】
高見 昌弘(たかみ まさひろ・会員)

1958年生まれ。兵庫県伊丹市在住。
1993年から大阪市のセイルトレーニングシップ帆船「あこがれ」にボランティアスタッフとして関わる。
(帆船「あこがれ」は、現在帆船「みらいへ」として活躍中)
帆走理論についての講演会で野本謙作先生との出会いが菱垣廻船「浪華丸」に繋がり、帆走の実現に向けた協力へ。
1999年7月、「浪華丸」の帆走実験にもボランティアで乗船。
以来、「浪華丸」再興に向けた催事の活動を続けている。

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第405回例会(Web#24) 2022.11.26

2022年11月例会チラシ
日本海事史学会 第405回 例会(Web#24)

弁才船の船体と上廻りの変遷

講師:安達 裕之(あだち ひろゆき・会員)

2022年11月26日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

 慶長期の『厳島遊楽図屏風』(東京国立博物館蔵)に登場して以来、明治時代まで弁才船は国内海運の主力として活躍した。船体の基本構造こそ変わらなかったものの、3世紀の間に船体と上廻りは様々に変化した。パリの図面集(F.E.Paris, Souvenirs de Marine, vol.6)に載る明治21年(1888)の1500石積弁才船の淵源が『厳島遊楽図屏風』の船にあろうとは誰も思うまい。
 本報告では弁才船の船体と上廻りの変遷を概観することにしたい。

 

【講師プロフィール】
安達 裕之(あだち ひろゆき・日本海事史学会会員)

1947年大阪市生まれ、1972年東京大学工学部船舶工学科卒業、同教養学部に勤務して、2012年に退職。東京大学名誉教授。専門は日本造船史。
おもな著書:『異様の船-洋式船 導入と鎖国体制-』(平凡社、1995年)


第400回例会(Web#19) 2022.05.28

第400回例会チラシ
日本海事史学会 第400回 例会(Web#19)

菱垣廻船浪華丸の復元を回顧する

講師:安達 裕之(あだち ひろゆき・会員)

2022年5月28日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 

 1994年6月、市制100周年を記念して大阪市は、「なにわの海の時空館」の目玉展示物とすべく弁才船の復元を企て、数ある弁才船の中から大阪と縁の深い菱垣廻船を復元船に選んだ。5年後の1999年7月、復元船は完成し、浪華丸と命名された。以来、四半世紀、弁才船についての新たな知見も得られたので、往時を回顧することにしたい。

【講師プロフィール】
安達 裕之(あだち ひろゆき)日本海事史学会会員

1947年大阪市生まれ、1972年東京大学工学部船舶工学科卒業、同教養学部に勤務して、2012年に退職。東京大学名誉教授。専門は日本造船史。
おもな著書:『異様の船-洋式船 導入と鎖国体制-』(平凡社、1995年)


第389回 例会(Web#8) 2021.05.22

日本海事史学会 第8回 Web例会

「雛型から見た弁才船船型要素の時代的変遷」

講師:小嶋 良一(こじま りょういち・会員)

2021年5月22日(土)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催

 江戸から明治にかけての海運で大きな役割を担った弁才船(べざいせん)、いわゆる千石船は時代とともにその船型を変えていきました。
 今回、どの船型要素が時代とともに変化していったのかを国内に現存する弁才船の雛形計測の結果から統計的・定量的に調査検討した結果を報告します。重回帰分析の手法によって、船型要素のパラメータから製作年代が推定可能か否かも探ってみました。
 くわえて、雛形の主要寸法といくつかの木割書から得られるそれらについて比較し、その妥当性について検討した結果も報告します。

【講師プロフィール】
小嶋 良一(こじま りょういち・日本海事史学会会員)
昭和23年東京生まれ。
昭和49年に日立造船㈱に入社。以後各種船舶や海洋構造物の設計に従事。
現在は関西設計㈱顧問、日本船舶海洋工学会ふね遺産認定実行委員会委員長。
大阪市海洋博物館「なにわの海の時空館」(閉館中)の菱垣廻船「浪華丸」の復元設計を担当。また船の科学館叢書「徳島城博物館阿波藩御召鯨船『千山丸』」や「雛型から見た弁才船(上・下)」(安達裕之著)の調査・計測図作成も担当した。


第383回 例会(Web#2) 2020.11.22

日本海事史学会 第2回 Web例会

「弁才船の船体について」

講師:安達 裕之(あだち ひろゆき・会員)

2020年11月22日(日)
14:00~16:00(ルームオープン 13:30)
Zoomにて開催